カヴァー

森進一がうたばんに出ていた。カヴァーアルバムを出すらしい。パッと見ただけだが、そこら中でカヴァーされまくったラインナップだった。
個人的にこの「誰でもカヴァー」な流れがどうにも好きになれない。…いや、森進一が悪い、と言うのではなくてね。ソコソコのヴォーカリストやシンガーソングライターが、簡単にカヴァーアルバムやシングルを出す昨今。まぁ自分の歌唱力を信じて、原曲の良さを引き出しつつ、己のモノとして出してるつもりなんだろうけどさ。どうなんだろ?これ。
そりゃあ商売っちゃ商売なんだけど、人それぞれに思い入れがある曲をカヴァーするって事は、その想いを踏みにじる危険だって孕んでいる訳ですよ。小説やマンガが映画化やアニメ化される時の原作レイプ感にも似た感情ですかね。カヴァー歌いたいならソロコンサートとか、ディナーショウとかクローズな場所で、好きに歌ったら良いじゃない。思い出の曲が流れ聴こえてくる時は、やっぱり思い出の声でアレンジで流れてきて欲しいんだ。更に言えば最近は、わずか数年前の曲まで簡単に引っぱり出してカヴァーとか言ってるから始末に終えない。
それと同じ様な感情を抱くのが、「あの人は今」的な番組で登場する歌手の方々。出演する当人にしてみれば、ヒット曲を歌って何十年、とかにもなる訳だから、歌い回しが変わる事もあるのだろうし、そこを魅せたい気持ちもわかるんだけど、そういう番組で視聴者が求めているであろうものは「ヒット当時の歌唱」なんじゃないのかと。当時に浸りたかったり、一緒に口ずさんでみたいのであって、あなたが積み重ねた歌唱を求めてる訳ではないんだ、と理解してくれないかな。妙にタメたり、引っ張ったり、はいらないのよ。これも別にコンサートとかなら好きにして下さいってこった、なんだけどね。
うん、まぁ結局俺が気に入らないだけだろ?って話なんだけどね。別に買わないし聞きたいとも思わないし(笑。でもちょっと目に余る、最近。まぁいろいろ行き着いちゃってるのかな。